MIDI打ち込みの楽しさ・・・
以下はいささか古い文章ですが、あえてここにも載せてみます。

MIDI打ち込みの楽しさ・・・
クラシック打ち込みのホビーとしての楽しい点

 コンピューターでクラシック音楽を打ち込むことはプラモデル作りに似ています。私の場合それは飛行機であったり戦車であったりします。もちろん実物(生演奏)とは違いますが、手を入れれば入れるほどリアリティーが増してくることはとても良く似ている点です。設計図を元にそれぞれの部品に色を塗り、コックピット内を仕上げて行き、操縦桿などに人が触ったぬくもりを与え、細部を一つ一つ仕上げて完成に近付けて行く。デカールを貼り、全体を組み上げた後は最後にわざわざ汚しを入れていかにも実際に使ったかのように見せかけて行く。まさに虚実皮膜の楽しさで、これはコンピューターの楽しさの根幹を成すものでしょう。そして出来あがったものが鑑賞に耐えうるものならば、後から何度でも鑑賞することが出来ます。
 そしてもう一つ。生演奏などは作曲者の意図とは別に演奏者などの演出が入っています。時には作曲者の意図とは違ったものになっていることがあるかもしれません。スコアから自分で作ってみるということは、純粋に作曲者の意図が見えてきて思わぬ発見をするときがあります。「このとき作曲者は多分こんなことを考えていたんだろうな~」とか「こんなところに行った事があるのかなあ」など思い描くことが出来ます。そしてそれを自分なりに解釈して盛り込んで行くことが出来るのです。時には作曲家になり、時には指揮者になったりと、違う自分を味わうことが出来るのです。

MIDIでクラシックを音楽らしくするためのコツ
 シークェンサーで音符をただ打ち込んでも、一応その曲が何の曲なのかは分かります。
だけど、ごつごつしていていかにも「機械が演奏しています!」っていう感じになります。
それをいかに自然に聞こえるようにするのか? それが大きなポイントと言えます。(データに汚しを入れる)
コンピューターは正直で、メトロノームのように正確に演奏してくれます。(笑) まさしくロボットのように!(笑)
人間臭さをそこに入れるのですが、それはどんなことか・・・?

 人間は生きている時間軸の中で曖昧な部分を多く持っています。
たとえば呼吸は時間軸に対してすごくでたらめだって分かります。また、心臓の鼓動もいい加減ですね。 時には強く、時には弱く、速かったり遅かったり・・・。身体も動くときも初めはゆっくり動き始め、だんだんとスピードが増して、止まるときには再びゆっくりになる。
これが実は気分を左右する大事なものだっていうことが理解ます。だから、この揺らぎを上手く入れることがクラシック音楽を作る上での大きなポイントになります。
私はあまり細かいことができないので、やっていることはそんなに多くはないのですが・・・、
主にしていることは、音楽に起伏を持たせ雰囲気を盛り上げてゆくこと。基本的には音符の長さ、強さの調整をし、エクスプレッションとテンポを調節する。ただこれだけです。
後は個々の楽器の表現力なのですが、これは音源による差が非常に大きく出てしまうので、どこまでやるのか悩むところです。
                                           2000/5/13

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