チャイコフスキーの「白鳥の湖」から
チャイコフスキー作曲のバレエ音楽「白鳥の湖」から、Acte II No.13 V Pas d'action




この曲はヴァイオリンとチェロのかけあいが美しく、かなり自分のお気に入りの曲で、子守歌代わりに聴いていたものでした。
MIDIで作成してみたいと自然に思いましたが、MIDIの音源ではそんなにロマンチックな音が出ずに、苦労してピッチなどを弄りそれなりに仕上げていた記憶があります。 これ以上はいくらやっても音源がこれでは仕方がないという、諦めモードでずっと放置していました。
近年、そこそこ使えるソフトウェア音源が手に入り、色々とソロ楽器を歌わせてみた結果、フランクのヴァイオリンソナタでそこそこ使えそうな感じになれたので、この曲の手直しをする気になったのでした。


なお、最初のデータを作成したのは2001年で、最初に有名な「情景」を作り、しばらく後に数曲作成したのですが、それは例の911テロの後で、何もかもが空虚になってしまっていた時期に何かしたくて、音楽に逃れるような気持ちで音符にかかっていた記憶があります。


当初は組曲版のミニチュアスコアから、4曲目のScene(情景)として載せられているものからの打ち込みでしたが、エンディングが私の親しんでいたものとは違って、突然物寂しくポツンと終わってしまうものでしたので、自分で記憶を頼りにアレンジしたもので締めくくっていました。
その後バレエ全曲版のスコアを手に入れてあり(高価でしたが)、最近その中から作ったものが数曲でき、それをMP3で公開すると、どうしてもこの曲のできの悪さが気になってしまい、手に入れざるをえない心境になりました。


当初は全面的に打ち直すことを考えましたが、古いMIDIデータをシークェンサーにロードしてみて、ソフトウェア音源をあてがって演奏させたところ、そこそこ手直しが利きそうな感じでしたので、最後の部分を付け加えて仕上げることにしました。
作成時のワークファイルは残念ながら壊れたHDDの中に入っていて取り出せないため、MIDIデータとして残っていたものからでしたので、移調楽器をそのままのトラックに追加することは難しく、新たなトラックにセッティングすることで解決させました。
ただ、スコアに書かれている情報はかなり音の位置が違っていて、MIDIシークェンサーの上を半音上げたり下げたりしながら置いていったものです。

作ってみると、バレエ版のエンディングはちょっとお茶目で、デュオの踊りの後に大勢が取り巻いて出てくるシーンが想定されているような感じです。
ショパンの幻想即興曲
革命のエチュードが作成できたので、音符の多さがやや気にならなくなり、ずっと楽譜たちの間に挟まっていたこの曲のシングルスコアを引っ張り出して作成することにしました。



この曲の場合には縦にだぶる音が少ないので、譜面どおりの入力をおこなってみて、不都合が出たら分るつもりで入力を始めましたが、結果はト音記号とヘ音記号のシンプルなものになりました。

演奏されるのを聞くチャンスも多い名曲の一つですが、どのように味付けして行くのか? 初期状態でパソコンから流れる機械的な音楽を何度も何度も聞いてみて、テンポ、ヴェロシティーを味付けして行き、ペダルを入れてこんな感じに仕上がりました。
この曲もペダルが難しいので、革命のエチュードと同じようにハーフペダル、リペダリングを利用してペダル情報をドローしています。

なお、曲に似合うような映像を作ることもしてきましたので参考までに載せておきます。
これらはギャラリーページを中心に展示しています。


ショパンの「革命のエチュード」
ドラマなどでも盛んに使われたりする特徴のある曲です。




これは3段構成にしました。
左手が動き回り、右手は刺激的な音を叩いているわけですが、中心となる音はオクターブで刻まれていて、そこに内声が加わっているのですが、この内声を同じようなヴェロシティーにしてしまうと強くなりすぎて音が濁ってしまいます。
それを回避するために、内声だけを分けたやり方になっています。


そして、これのペダルはとても難しく、単に踏んだり放したりでは音が濁りすぎたりドライになりすぎたりしてしまいます。
そこで、ここでのやり方はエクスプレッションのようにドローしてしまうもので、ソフトウェア音源であるGalaxy Vintage Dの機能の中に「リペダリング」「ハーフペダル」があることを利用したものです。
MIDIデータとしては無駄にサイズが大きくなってしまいますが、音声データとしての仕上げが目的であるならば、こうした結果オーライも可能になります。


※なお、この動画をYouTubeにアップした途端に「著作権侵害」を申し立てられ、それの解除のために係争中となっております。
「画面を見てから物を申せ!」と言いたいところであります。
ドビュッシーの「雨の庭」
2018年の3月に作成したもので、音符がたくさんのピアノ曲を手がけ始める切欠になりました。




作成は4段としています。
これは、中心となる音の流れを取り出して調整しやすくするためで、感覚的な作業が効率よくできるようになります。


具体的には下に見えるピアノロール画面で、マウスでヴェロシティーを撫でて調整するときに、かぶった音をいちいち調整しなおす手間が省けることと、メロディーラインをより自分の好みに調節しやすくなります。


楽譜のとおりに打ち込めているのか? 判断を十分におこなう必要がありますが、難しい場合には、一度音符を楽譜どおりに置いたトラックを作ってしまい、それを複製してからそれぞれの余分な音符を削除するということも考えるわけです。
いずれにしても手間隙がかかる作業ではあります。

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