さくら横ちょう
2019.04.09
中田喜直 作曲の「さくら横ちょう」
賑やかに咲く花の中に吹き抜ける冷たい風が頬を撫でていくような曲ですね。
著作権が残っているので当サイトではデータでの公開はできませんが、このような日本の美しい曲をMIDIで作っておきたいと思うことがしばしばです。
戸津辺の桜 ベートーヴェン「悲愴」第2楽章
2019.03.21
福島県の南の縁の方にあたる福島県矢祭町には「戸津辺の桜(とつべのさくら)」という1本の大きな桜の木があります。
樹齢600年を超えるエドヒガンザクラで、福島県では一番先に咲くそうです。
丘の上にあって、眼下には水郡線が走り、この桜と列車の画像を求めて写真を撮る方もたくさん見られます。場所はこちらを参照

MIDIとしてはベートーヴェンで私が最初に手がけた曲で、映像を納める前から手元にありましたが、この桜の映像を編集していて、BGMにこの曲を付けてみたところ、ぴったりな雰囲気に感じたのでした。
いつもこの桜の咲く季節に、この桜の元にたむろして、しばらく時の流れを楽しんでいると、なぜかベートーヴェンのこの曲が胸に流れてきたりします。




MIDIを作る場合、先に音楽ができていて、その曲に合わせてイメージした映像を収録に行くこともありますが、先に映像を収録してそれに合わせた曲を探す場合もあります。
いずれにしても、ともにたくさんのストックが必要になる作業ではあります。
ベートーヴェンの月光
2019.03.20
ベートーヴェン作曲のピアノソナタ 第14番 嬰ハ短調 作品27の2「月光」(Wiki)
この標題が付けられていますが、ベートーヴェン自身にはそのような意図は無かったようです。
でも、この第一楽章のムードからすればこ標題が妥当な感じはします。

私自身、実はベートーヴェンにそれほど関心があるわけではなく、この曲もドビュッシーのものと対比させたいと以前から思っていたのですが、実はドビュッシーの「雨の庭」やショパンの「革命のエチュード」など、音符数が多くて速いテンポの曲の打ち込みに慣れてきて、その流れで「悲愴」の第3楽章をやり、その延長でこのソナタの第3楽章がしてみたくなって作ったのがきっかけでした。
ですので、まず先に第3楽章ができあがり、続いて第1楽章を作り、結局最後に第2楽章もして、このソナタを閉じるまでしてしまうことになったわけです。

作ってみればベートーヴェンはやはりベートーヴェンの音楽にはなるようです。


第一楽章 Adagio sostenuto 2/2拍子 嬰ハ短調 (YouTube)
第二楽章 Allegretto 3/4拍子 変ニ長調 (YouTube)
第三楽章 Presto agitato 4/4拍子 嬰ハ短調 (YouTube)
全楽章連続演奏

今日の月齢は13.5です。
まもなく満月になるところで、この記事を書きたくなった次第でした。
ドビュッシーの「月の光」
2019.03.19
月を題材にした曲は実はそれほど多くは見つからないかもしれません。
しかし、とても有名になっている曲はあります。


ドビュッシー作曲「月の光」


ベルガマスク組曲の第3曲として作曲されたものですが、この曲だけがあまりにも有名になり、単独での曲としての扱いをされることが多いのですが、8分の9拍子の基本三拍子の丸さの中に滲ませるかのような響きが印象的な曲ですね。(Wiki)

「月の光」(オーケストラアレンジ アンドレ・カプレ+Windy)


これは管弦楽版なのですが、編曲はドビュッシーの友人でもあった作曲家のアンドレ・カプレ(Wiki)によっておこなわれました。近年ではストコフスキーやカイエなどの版もあり、私はカイエ版が好みです。残念ながら編曲著作権がありMIDIにしても公開できないことと、そもそも楽譜が手に入りませんので、ずっと暖めていたものでした。 アンドレ・カプレの譜面が手に入り、それを元にMIDIを作ってみたのですが、イメージとは少し違ってしまったために、私自身がこれのアレンジを加えて仕上げたものがここにあるものです。(YouTube)

なお、「月の光 Clair de lune」の名のついた楽曲はドビュッシーには3曲あり、このピアノ曲の他に2曲の歌曲があります。これはポル・ヴェルレーヌの詩につけられたもので、同じ詩にフォーレも歌曲を作っています。(YouTube)
春らしい「ワルツ」をピアノで
2019.03.16
春らしい歌曲
2019.03.10
季節も啓蟄を過ぎて、すっかり春らしくなってきました。
そこで、春らしさを感じる曲をいくつかピックアップ。

<動画で>| フォーレ 蝶と花 | ドビュッシー 春が来た | 広田竜太郎 浜千鳥 |
<MP3で>Debussy 春が来た Voici que le Printemps | Faure 蝶と花 Le papillon et la fleur | 滝 廉太郎 「花」 | 広田竜太郎 浜千鳥 |


フォーレ作曲の「蝶と花」
ヴィクトル・ユゴーの詩につけられたチャーミングな曲です。
蝶は「男」、花は「女」 あちらこちらに好きに飛び回る蝶に、ひとつと頃にとどまって空を見上げる花がグチを言います。

ドビュッシー作曲の「春が来た」
ポル・ヴェルレーヌの詩につけられたもので、皮肉っぽさが素敵です。
フランクのヴァイオリン・ソナタ
2019.03.06
この曲の「お散歩気分」が好きで、いつか自分でも作ってみたいと思っていた曲です。
しかし、コンピュータで作る音楽の中で、とりわけソロの弦楽器は難しく、SC-8850などの音源ではまずやる気にすらならないところですが、ソフトウェア音源でならそこそこ聴くに堪えそうなところまでできそうでしたので作ってみる気が起きました。

この曲をやる前に、イザイの「子供の夢」を作成したのですが、その時にはGARRITAN PERSONAL ORCHESTRAのインストゥルメントを試したものでした。

ソフトウェア音源として最初に手に入れたのはKontakt player3というもので、さまざまなインストゥルメントがバンドルされていて、その中にクラシックの楽器も用意されていましたが、弦楽器のソロのインストゥルメントは入っておらず、他のものもほとんど使えるものが無かったので、新たにガリタンを購入したのでした。(当時はMiroslavはまだ価格的に高価であったので、まだ手に入れる気にはならなかったのがこれを選んだ理由のひとつですが・・・)

GARRITANはこの当時、ヴァイオリンやチェロなどのソロ楽器だけをそろえた音源も販売するなど、当時としては意欲的な展開を見せていて、弓を上げたり下げたり(アップボウ・ダウンボウ)するときの音色の違ったものを用意してあり、それを演奏中にコントロールして切り替えることができるものです。(アップ、ダウンの切換えは発音されることのないキーボードの下の方の音符をトリガーとして使う・・・下の画像参考・・・ しかし、これだとMIDIデータとして他の音源ではその音も出てしまったりする不具合があって互換性はなくなってしまいます)


イザイの「子供の夢」によってそこそこヴァイオリンのソロの演奏も可能性を感じることができ、いずれこの曲にかかりたいと思っていましたが、それからずいぶん長い年月が経過してしまいました。 やはり、これはこれでかなり難しいところがあり、そう易々とは聴くに耐えるものができないだろうという思いと、コントロールして行く並大抵ではない苦労がそうでなくても重い腰をより重くしてしまいます。

やっと思い切って楽譜を拡げ、音符を置き始めると、意外にも楽しさに包まれることになりました。(音符を置き始めれは完成まで突っ走るしかないのです。故に余計に気が重くもなりますが)
ピアノは使い慣れてきたGalaxy Vintage Dを使うことはすでに決めてかかれましたが、ヴァイオリンをGARRITANで歌わせてみると、どうもしっくり来ない。
どのようにコントロールしようとしても(GARRITANはさまざまなコントロールが可能で、イコライジングなどでかなり音色を変えることができますが、それでも)イメージの音が出てこない。
そこで、Miroslavのインストゥルメントをロードして歌わせてみたところ、まずまずの雰囲気が出ることがわかり、今回はこれで仕上げてゆこうということになりました。

今回の映像は、ソフトウェア音源のプレーヤーを前に出して、その動きをご覧いただけるものです。




ピアノのVintage D、最初に作ったときにはStereo Widthは60%でした。
これは、クラシックの音場のデフォルトのセッティングで、ステージの中でピアノの音場を狭くしてより近いものに感じさせるように考えられたものですが、音が団子になってヴァイオリンとかぶってしまい、豊かな雰囲気を害してしまうので後に拡げてみた結果、透明度が増してより良い雰囲気が出せたと思います。
(そもそもサンプリング時にはマイクの位置は近いのですから、パンで音場を狭めたところで本当に求める音場とは違ってしまうのは当然で、その辺がDTMの限界とも言えそうです。)

ということで、こうした楽曲は映像のBGMとしての利用もしたいから作ったという意図もありますので、そんな動画もご覧いただければ幸いです。
なお、この曲の場合、さまざまな季節で使えそうですので、ここでは秋のシーンでしたが、いずれは別の季節のもので合わせてみたいと考えています。


シレーヌ 海の魔物
2019.03.05
海は美しく、時に残酷で恐ろしくもあります。

ドビュッシーと海



ドビュッシーは一際海に関心を寄せていた作曲家で、すばり「海(管弦楽のための3つの交響的素描)Wikipedia」というものがあったり、オペラ「ペレアスとメリザンド」にも海の情景があったり、歌曲の中にも海に関係するものが見つかります。

ここで取り上げる「シレーヌ(ノクチュルヌ第3曲 Wikipedia)」もまさにテーマが「海」で、海の魔物を描くことで海の美しさと恐さを現し、海への憧れを残してくれました。

曲の構成



3本のフルート、2本のオーボエ、コールアングレ、2本のクラリネット、3本のバスーン、4本のホルン、3本のトランペット、2台のハープ、それに8人のソプラノ、8人のメゾソプラノのコーラスが加わり、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの弦楽パートの構成で、ヴァイオリンも第一第二の中でもさらに二手に分けられたり、チェロも場所によっては二手に分かれるようになっていて、コーラスも基本的にはそれぞれが4パートに分かれているので、コーラスだけでも16パート分あることになります。さらに奏法では弦楽器の「指板の上で弾く」音色が求められたりします。さらに、縦線をあえてずらすなどかなり難易度の高い曲と言えるでしょう。

MIDIデータ化の動機と道のり


この曲の海の情景は繊細で美しく、海の近くに住むものとしてはこの曲をMIDIで作ってみたいと一大決心をして挑んだのが2002年の秋口で、ちょうど夏が終わって物寂しさが戻ってきた海に心を合わせるように音を打ち始めたものでした。

当初はSC-8850でしか音源の持ち合わせがありませんでしたし、このようにたくさんの音がいっせいに流れるものの作成と再生は困難さが半端ではなく、ましてや望むような音色にすることはほとんど不可能に近い状態でした。 それでもなんとか最後まで仕上げてみて、できる限りの調製をし、できの悪さはあっても公開に踏み切ったわけでした。

近年、ソフトウェア音源を導入し、それに使い慣れてくるにしたがって、これまでの中からできの悪いものを順次手直しを始めていて、いよいよこの曲の手直しを試みることになりました。

当初は、最低限でもSC-8850のコーラスの不満さを何とかすることが目的になりましたが、いざ始めてみるとオーケストラパートも大規模に手直ししなければならないことになってしまい、トラックを複製してはソフトウェア音源をあてがい、調整するという作業にかなりの労力を使うことになりました。総トラック数も80チャンネルを超えてしまいました。

それでは、この曲のMIDIシーケンサーの画面をご覧ください。




エクスプレッションを見ると、あたかも本当の海のうねりのように、時にぶつかり、時に同期させていることが分ります。そして、細かに分けたコーラスが音をパートに受け渡しをおこなって、ステレオ効果も十分に考慮されて、さながら海に飲み込まれるような音の世界を作っています。

明るく憧れる海の彼方から誘う優しき響き。

誘われて乗り出す海の彼方。

海の誘惑。

突然の海の豹変。

誘われたものたちを飲み込んでしまう海。

何事も無かったかのごとく静けさの戻った海とその余韻。

「海は美しく、そして恐ろしい」
白鳥の湖 第一幕冒頭のワルツ
2019.03.03
チャイコフスキー作曲のバレエ音楽「白鳥の湖」から、冒頭のワルツ



※組曲版でも2 Valseで載せられていて、バレエ版と全く同じものです。

この曲はいずれ作るつもりでいました。
ただ、音符数も多く、ページ数も多い大掛かりな曲なのでなかなか手にすることができなかった。
しかし、近郊に白鳥(小白鳥がほとんどですが)が近年飛来してきて飛び回り、今年には1500羽を超える白鳥たちがやってきているのを見て、この白鳥たちがいるうちに「白鳥の湖」から何曲か作ってみる気が起きてしまいました。
そこで最初に手がけた新作は冒頭の幕開け部分の曲で、既に作ってあった序曲に繋げることをしました。
「白鳥の湖」序曲から冒頭の幕開けシーンMP3

冒頭のシーンも壮大で、これができれば次のワルツを作ってみたい衝動が大きくなったわけです。

打ち始めてみると、繰り返し部分がそっくりそのままコピペできるので、意外にとんとんと打ち込みは進み、仕上げに打楽器軍を入れて派手な音楽とすることができました。
なお、音はほぼソフトウェア音源であるMiroslav Philharmonikのもので、打楽器はSC-8850のものです。

チャイコフスキーのワルツも優雅で、この曲のほかにもActe II No.13 白鳥たちの踊りの1曲目として登場するワルツもお気に入りで、これは組曲版にないために、それが作りたくて高価なバレエ全曲版を購入する切欠にもなりました。

Acte II No.13 I Valse MP3


※飛び回る白鳥達と溜池でのシーン

チャイコフスキーの「白鳥の湖」から
2019.03.03
チャイコフスキー作曲のバレエ音楽「白鳥の湖」から、Acte II No.13 V Pas d'action




この曲はヴァイオリンとチェロのかけあいが美しく、かなり自分のお気に入りの曲で、子守歌代わりに聴いていたものでした。
MIDIで作成してみたいと自然に思いましたが、MIDIの音源ではそんなにロマンチックな音が出ずに、苦労してピッチなどを弄りそれなりに仕上げていた記憶があります。 これ以上はいくらやっても音源がこれでは仕方がないという、諦めモードでずっと放置していました。
近年、そこそこ使えるソフトウェア音源が手に入り、色々とソロ楽器を歌わせてみた結果、フランクのヴァイオリンソナタでそこそこ使えそうな感じになれたので、この曲の手直しをする気になったのでした。


なお、最初のデータを作成したのは2001年で、最初に有名な「情景」を作り、しばらく後に数曲作成したのですが、それは例の911テロの後で、何もかもが空虚になってしまっていた時期に何かしたくて、音楽に逃れるような気持ちで音符にかかっていた記憶があります。


当初は組曲版のミニチュアスコアから、4曲目のScene(情景)として載せられているものからの打ち込みでしたが、エンディングが私の親しんでいたものとは違って、突然物寂しくポツンと終わってしまうものでしたので、自分で記憶を頼りにアレンジしたもので締めくくっていました。
その後バレエ全曲版のスコアを手に入れてあり(高価でしたが)、最近その中から作ったものが数曲でき、それをMP3で公開すると、どうしてもこの曲のできの悪さが気になってしまい、手に入れざるをえない心境になりました。


当初は全面的に打ち直すことを考えましたが、古いMIDIデータをシークェンサーにロードしてみて、ソフトウェア音源をあてがって演奏させたところ、そこそこ手直しが利きそうな感じでしたので、最後の部分を付け加えて仕上げることにしました。
作成時のワークファイルは残念ながら壊れたHDDの中に入っていて取り出せないため、MIDIデータとして残っていたものからでしたので、移調楽器をそのままのトラックに追加することは難しく、新たなトラックにセッティングすることで解決させました。
ただ、スコアに書かれている情報はかなり音の位置が違っていて、MIDIシークェンサーの上を半音上げたり下げたりしながら置いていったものです。

作ってみると、バレエ版のエンディングはちょっとお茶目で、デュオの踊りの後に大勢が取り巻いて出てくるシーンが想定されているような感じです。

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