MIDIデータの中身
2019.03.01
MIDIデータを作る上で、必要となる情報を私なりにまとめてみました。

ここにあるものはGS音源用です。
主にSC-8850などの外部音源を主眼に置いています。
ソフトウェア音源は、ここにあることとは少し違ったことになっています。
MIDIを製作される時の参考になれば幸いです。

演奏にかかわるもの



  1. 音符の長さ(デュレーション)

  2. 音符の強さ(ヴェロシティ)

  3. 表情(エクスプレッション)

  4. テンポ(曲の速さ)

  5. ピッチ(音の高さ)

  6. ビブラート(音を振るわせる)

  7. ポルタメント(音をスライドさせる)

  8. 音色の調整

  9. 調律

    生演奏とMIDIの音場の違い。


    生演奏の収録ではひとつの空間に様々な楽器の音が混ざって
    様々に共振しています。 また収録時のマイクロホンにも色々な
    音が混ざりながら入ってきます。
    そしてそこに「位相差」が生まれ、これが空間を演出するひとつの効果を担っています。

    一方DTMでサンプリングされたものにはこれは一切ありません。

    DTMでの音場の最大の長所と欠点はこの部分で、
    さながらスタジオ録音で、完全に音響的に分離された部屋の
    マイクをミキシングすることに良く似ています。
    これはある面「純度の高い音」といえますが、
    クラシック特有の「アンビエント感」は出せません。
    そのままでは「ただ音がそこにある」という具合になります。


    リヴァーヴの効果


    そこで「リヴァーヴ」などのエフェクトを使って「擬似的に」音場を
    作ることを考えるわけです。
    プリセットされているリヴァーヴはホール系が2種類ですが、
    ホール1 は深めでしっとり系、 ホール2はやや乾いた感じです
    特に ホール1は擬似的に位相差を出すため、
    アンビエント感を作るには有効です。


    生演奏とMIDIの音色・音質の違い。


    生の楽器の発する音色はものすごく多岐に及んでいて、
    これによって音楽の感情を作るのに寄与しているのですが、
    これはDTMのサンプリングにとっては「癖」な部分になります。

    DTMで使うことが出来るようにするには、この「癖」を抜かないと
    たとえば長い音符を発音させるときにつなぎ目の処理が上手く
    出来なくなってしまいます。
    またアンサンブルさせたときに調和できないことが多くなります。
    数少ないサンプリングされたものから色々な長さの音符に対応し
    後から色々な表情付けを行おうとすると、サンプリングに加工を
    施して、「癖の無い」ものに仕上げていく必要があります。
    特に癖の出やすい「高音域」はかなりカットされてしまっていて、
    本来の楽器の音からは遠い音になってしまっています。
    (これは「倍音」のマッチングが上手くいかないことも原因です)

    これらの加工を施されたものは、色々な条件でも「無難」に
    演奏できるようになっています。
    が、その分表情に乏しくなってしまうのです。

    これらを解消できる技術の向上が望まれるわけです。


    総論


    DTMでの音色・音場は生楽器に比べて次の特徴があります。

    1. スタジオ録音の様に楽器間の音が混ざらない。

    2. 加工によって生の音より「暗い」感じになっている。


    これらの特徴を踏まえると、よりポイントが絞れてくるでしょう。

    DTMでの演奏は、各楽器の音の混合が起きないため
    事によっては生演奏よりもきれいな音がする場合も有ります。
    「生演奏になるべく迫るのか?」
    「DTM特有の長所を生かしてみるのか?」
    これはこれで色々な可能性がありそうです。


    ※これらは、ソフトウェア音源の場合かなり改善されてきています。

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