クラシック音楽をMIDIで作ってみよう!
2019.03.03
クラシック音楽をMIDIで作ってみようとするときの手順を少し紹介したいと思います。
ここでは、マウスによる音符の入力による作成方法で、使用したシークェンサーは古くて機能が限定的なCakewalk Music Creator 4 という廉価なものですが、これでも十分に作業ができるものです。 他のシークェンサーも同じようなものですから、少し違うところもあるかもしれませんが、基本的には同じことをすると思います。

まずはシークェンサー画面。

譜面入力やらピアノロールやらテンポ入力やらイベントリストなど、さまざまな調節するためのウィンドウが用意されています。

まずはトラックとチャンネルの割り当て。

トラックに楽器を配置します。

次にそのトラックに出力先を設定して、音が出るようにします。
ソフトウェア音源を使う場合にはここでソフトウェア音源をロードする必要があります。

ソフトウェア音源のプレーヤーを表示してインストゥルメントをそのプレーヤーで取り込みます。(プレーヤーを表示させるには、この画面の場合にはトラック33をタップして、左側の黄色い枠をダブルクリックするなどします。)

次にシーケンサーのトラックの出力先を設定します。

ここでアウトプット、チャンネルを選択します。通常のMIDIデータとして作成したいときには、右側のバンクやパッチで楽器を選択します。

これで音が出る準備ができました。
いよいよ音符の入力ができるわけです。
音符を入力するために、楽譜を出さなければなりませんが、それは次の画像のように出します。

トラックを選択して表示から「譜面」を選ぶと出てきます。
譜面が表示できたら、いざ音符を置く作業を始めます。
今回は、チャイコフスキー作曲の「白鳥の湖」から、四羽の白鳥を参考にしてみます。


音符が打ち終わったら、必要なトラックを選択してピアノロールを表示させ、音符の長さ(デュレーション)、音の強さ(ヴェロシティー)、弦楽器や管楽器などで伸びた音の中で音の大きさを連続的に可変できるエクスプレッション(コントローラーの11番か12番(Miroslavの場合))が調節しやすくできます。
(音符の上を個別に一個一個右クリックしてプロパティーからも調節できますが、それはとても大変な作業になります。)


次にテンポを調節します。
クラシック音楽の場合には、特にこのテンポ情報が重要で、それらしくするための鍵になってきます。


数値でできると細かに調節が可能ですのでイベントリストの表示を参考まで。


こうして完成させていきます。
実際にMIDIシークェンサーを走らせた画面を参考まで。


白鳥の湖 第一幕冒頭のワルツ
2019.03.03
チャイコフスキー作曲のバレエ音楽「白鳥の湖」から、冒頭のワルツ



※組曲版でも2 Valseで載せられていて、バレエ版と全く同じものです。

この曲はいずれ作るつもりでいました。
ただ、音符数も多く、ページ数も多い大掛かりな曲なのでなかなか手にすることができなかった。
しかし、近郊に白鳥(小白鳥がほとんどですが)が近年飛来してきて飛び回り、今年には1500羽を超える白鳥たちがやってきているのを見て、この白鳥たちがいるうちに「白鳥の湖」から何曲か作ってみる気が起きてしまいました。
そこで最初に手がけた新作は冒頭の幕開け部分の曲で、既に作ってあった序曲に繋げることをしました。
「白鳥の湖」序曲から冒頭の幕開けシーンMP3

冒頭のシーンも壮大で、これができれば次のワルツを作ってみたい衝動が大きくなったわけです。

打ち始めてみると、繰り返し部分がそっくりそのままコピペできるので、意外にとんとんと打ち込みは進み、仕上げに打楽器軍を入れて派手な音楽とすることができました。
なお、音はほぼソフトウェア音源であるMiroslav Philharmonikのもので、打楽器はSC-8850のものです。

チャイコフスキーのワルツも優雅で、この曲のほかにもActe II No.13 白鳥たちの踊りの1曲目として登場するワルツもお気に入りで、これは組曲版にないために、それが作りたくて高価なバレエ全曲版を購入する切欠にもなりました。

Acte II No.13 I Valse MP3


※飛び回る白鳥達と溜池でのシーン

チャイコフスキーの「白鳥の湖」から
2019.03.03
チャイコフスキー作曲のバレエ音楽「白鳥の湖」から、Acte II No.13 V Pas d'action




この曲はヴァイオリンとチェロのかけあいが美しく、かなり自分のお気に入りの曲で、子守歌代わりに聴いていたものでした。
MIDIで作成してみたいと自然に思いましたが、MIDIの音源ではそんなにロマンチックな音が出ずに、苦労してピッチなどを弄りそれなりに仕上げていた記憶があります。 これ以上はいくらやっても音源がこれでは仕方がないという、諦めモードでずっと放置していました。
近年、そこそこ使えるソフトウェア音源が手に入り、色々とソロ楽器を歌わせてみた結果、フランクのヴァイオリンソナタでそこそこ使えそうな感じになれたので、この曲の手直しをする気になったのでした。


なお、最初のデータを作成したのは2001年で、最初に有名な「情景」を作り、しばらく後に数曲作成したのですが、それは例の911テロの後で、何もかもが空虚になってしまっていた時期に何かしたくて、音楽に逃れるような気持ちで音符にかかっていた記憶があります。


当初は組曲版のミニチュアスコアから、4曲目のScene(情景)として載せられているものからの打ち込みでしたが、エンディングが私の親しんでいたものとは違って、突然物寂しくポツンと終わってしまうものでしたので、自分で記憶を頼りにアレンジしたもので締めくくっていました。
その後バレエ全曲版のスコアを手に入れてあり(高価でしたが)、最近その中から作ったものが数曲でき、それをMP3で公開すると、どうしてもこの曲のできの悪さが気になってしまい、手に入れざるをえない心境になりました。


当初は全面的に打ち直すことを考えましたが、古いMIDIデータをシークェンサーにロードしてみて、ソフトウェア音源をあてがって演奏させたところ、そこそこ手直しが利きそうな感じでしたので、最後の部分を付け加えて仕上げることにしました。
作成時のワークファイルは残念ながら壊れたHDDの中に入っていて取り出せないため、MIDIデータとして残っていたものからでしたので、移調楽器をそのままのトラックに追加することは難しく、新たなトラックにセッティングすることで解決させました。
ただ、スコアに書かれている情報はかなり音の位置が違っていて、MIDIシークェンサーの上を半音上げたり下げたりしながら置いていったものです。

作ってみると、バレエ版のエンディングはちょっとお茶目で、デュオの踊りの後に大勢が取り巻いて出てくるシーンが想定されているような感じです。
ショパンの幻想即興曲
2019.03.03
革命のエチュードが作成できたので、音符の多さがやや気にならなくなり、ずっと楽譜たちの間に挟まっていたこの曲のシングルスコアを引っ張り出して作成することにしました。



この曲の場合には縦にだぶる音が少ないので、譜面どおりの入力をおこなってみて、不都合が出たら分るつもりで入力を始めましたが、結果はト音記号とヘ音記号のシンプルなものになりました。

演奏されるのを聞くチャンスも多い名曲の一つですが、どのように味付けして行くのか? 初期状態でパソコンから流れる機械的な音楽を何度も何度も聞いてみて、テンポ、ヴェロシティーを味付けして行き、ペダルを入れてこんな感じに仕上がりました。
この曲もペダルが難しいので、革命のエチュードと同じようにハーフペダル、リペダリングを利用してペダル情報をドローしています。

なお、曲に似合うような映像を作ることもしてきましたので参考までに載せておきます。
これらはギャラリーページを中心に展示しています。


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